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スコットランドがサーカスの動物使用を全面禁止、イギリス初

12月20日、スコットランド議会は移動サーカス団が野生動物を展示したり芸をさせたりすることを全面的に禁止した。おとなりのアイルランドではすでに11月に同様の禁止令が決議されており、今後イギリス全土に波紋を広げそうだ。

サーカス団の動物使用を禁止する法案は10年以上前から提唱されていたが、決定的となったのは2014年に実施されたパブリックコメントだった。移動サーカスでの動物使用について国民に問うたところ、2043の回答のうち98%が動物に芸をさせるのを禁止するべき、そして96%が動物を展示するのを禁止するべきだと意見した。

2012年にイギリス最後のサーカスゾウといわれる「Anne the Elephant」が調教師に虐待されていたことが大々的に報道されたのも、世論に大きく響いたのかもしれない。

法案を議会に提出したスコットランド環境秘書のRoseanna Cunningham氏によると、法案では「野生動物」はわざとあいまいに定義されているという。裁判所の個々の判断により動物を幅広く保護するのが狙いだ。サーカスで見られる野生動物とはゾウ、ライオン、トラ、クマ、ホッキョクグマ、ハト、サル、ウマなどが一般的だが、法案の解釈によってはイヌやネコ以外のすべての動物が対象にもなりうるようだ。なお、野生動物の展示や調教は認められていないものの、飼い続ける権利は否定されていないそうだ。

倫理的な観点から、サーカスでの動物使用を問題視する傾向は国際的に広がりを見せている。アメリカでは今年5月に老舗『リングリング・サーカス』が146年の歴史に幕を閉じたばかりだ。最近では『シルク ドゥ ソレイユ』のように動物を使わないサーカス団も増えており、「サーカス」に対する人々の考え方が変化しつつあるようだ。

Scotland bans use of wild animals in travelling circuses (The Guardian)

Wild animals banned from circuses in Republic of Ireland (BBC)

Anne the Elephant and the end of circus animals (BBC)

Wild Animals in Travelling Circuses (Scotland) Bill: Q & A (Scottish Government)

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