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美女を襲った強姦殺人犯を捕まえろ! 父親の執念とDNA鑑定が6039兆分の1の確率で犯人を特定

凄惨な殺人事件が起こるたび、誰もがいち早い犯人逮捕と真相の解明を望むが、そのすべてが必ずしも解決されるわけではない。しかし、日進月歩の科学技術が過去の未解決事件に再び光を当てることもある。いまや一般的になったDNA鑑定も、そんな革新技術の一つだ。

アメリカ・ミズーリ州では“サッカー”という淡水魚にちなんだ祭が行われている。そして、祭の目玉である美人コンテスト「ミス・サッカーデイ」の称号を当然のように勝ち取るほどの美貌を持つジャッキー・ジョーンズには、多くのファンがいた。

ところが1985年6月17日、パンの配達員が道路の脇でジャッキーの愛車カマロを発見する。無人の車内の後部座席は血まみれで、彼女が愛用したヘアスプレーや服、生活用品が散乱していた。車内でひどい争いがあったことは明らかだ。

事件は発生から4日後に最悪の事態に進展する。2人の釣り人が湖でジャッキーの遺体を発見したのだ。彼女にはアゴや唇、側頭部に多くの傷があり、性的暴行を受けた跡もあった。しかし犯人は凶器や車内には一切の指紋を残しておらず、DNAによる捜査という発想が無かった当時では、これ以上の追及は極めて難しい状況だった。

捜査を進める中で、容疑者として2人の男性が浮上する。ジャッキーの恋人のコーディと、実業家の息子、ジェラルド・カーナハンだ。離婚歴があるコーディを警察が問い詰めると、元妻の話題がきっかけでジャッキー口論となり、仲たがいしていたことが明らかになる。一方のジェラルドは、ジャッキーの自宅や職場に「デートしよう」としつこく電話をかけてくるような男だった。当時その言葉があれば、彼は間違いなく「ストーカー」と呼ばれていただろう。

ところが2人とも事件当時のアリバイを主張し、裏付けも取れたことから逮捕には至らなかった。ジャッキーの葬儀にはほぼすべての町民と思われる数百人の追悼者が集まり、不安と悲しみに包まれた告別式が執り行われた。

迷宮入りしたかに思えた事件だが、ジャッキーの父親はあきらめなかった。数年ごとに記者会見を開き「自分の存命中に事件解決を」と訴え続けたのだ。そして、その魂の叫びは22年という時を経て結実することになる。

2007年、捜査官は遂にDNA鑑定に踏み切った。失敗した場合に備えて秘密裏に行われた鑑定だったが、保存されていたDNAは完璧な状態で、6039兆分の1の確率で合致する人物が特定される――
ジェラルドだ。アリバイも不確かだったことが立証されたジェラルドは逮捕され、2010年9月23日に婦女暴行と殺人で終身刑が言い渡された。

殺害を否定し続けたジェラルドだったが、捜査官が推察した犯行内容は極めて身勝手で残忍なものだった。何らかの方法でジャッキーの車に同乗したジェラルドは肉体関係を迫ったが、自分の思い通りにならないと知るや彼女を鈍器で殴り、車から引きずり出しレイプして遺体を湖に遺棄した……というものだ。

父親の願いが叶っても、失われてしまったジャッキーが戻ることはない。しかし今後も技術の進歩によって未解決事件がひも解かれていけば、被害者やその家族の無念を少しでも晴らすことができるかもしれない。

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