米国の国立研究所、軍事機密だった核実験映像を一挙公開

米国カリフォルニア州にあるローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)は、核兵器の研究開発を目的として1952年に設立された。そんなLLNLが今回、新たに62本の動画を一般向けに公開した。軍事機密として公にされることのなかった核実験の映像だ。

LLNLはYouTube上で過去の核実験の動画を順次公開しており、このプロジェクトは核兵器物理学者のGregg Spriggs氏が中心となって進められている。1945年から1962年にかけ、米国による実に210回もの核実験が10,000本もの映像に納められているとみられている。多くのフィルムが経年劣化により損傷していることから、記録・科学的なデータとして残すため、修復が行われているのだ。

 

Spriggs氏によると、米国の最後の核実験は25年前に行われ、それ以来コンピュータシミュレーションに置き換わっているという。しかしそのコンピュータシミュレーションも、元となる核実験によるデータが正確なければ正しい結果にならないことから、過去のデータを再度精査することは保有する核兵器を安全に管理するためにも必要になるのだとしている。

10年前、Spriggs氏は核兵器の能力に関するプログラムを書いたところ、計算がどうしてもデータと合わなかった。調べてみると、1950年代と1960年代に行われた核実験のデータが実際のものより20%から30%もずれていることが発覚したのだ。これにより、過去の実験を再度検証する必要性が出て来たのだという。

核実験をしたもののデータが間違っていたというのはなんともお粗末な話だが、過去の映像を再検証することで新たな核実験をする必要がなくなっているのは悪くはない状況とも言えなくはない。シミュレーションで完結し、核兵器が必要ない世界になれば、より一層歓迎できるのだが。

LLNL releases newly declassified test videos (LLNL)

LLNL Atmospheric Nuclear Tests (YouTube)