大人になれるのは約2割!?子ライオンが歩む超ハードモードな人生

その堂々とした姿と、立派なたてがみが子どもたちにも大人気のライオン。サバンナでは外敵がほとんどいない、まさに“百獣の王”の呼び名にふさわしい動物だ。

我が子に試練を与えて才能を試す/厳しく育てる、という意味で使われる「獅子の子落とし」ということわざも、ライオンは生んだ子どもを崖から突き落とし、這い上がってきた子のみを育てるという言い伝えが由来になっている。しかし、実際のライオンはことわざとは違い、とても子煩悩な動物だという。

ライオンは他のネコ科の仲間と違い、リーダーのオス1~2頭を筆頭に、メスとその子どもたち合わせて10~15頭ほどの群れ(プライド)を作って集団生活をしている。群れのメスたちの結びつきはとても強く、自分が産んでいない子ライオンにもお乳を与えたり、獲物を分け与えて食べさせたりと協力し合って子育てをしているのだが、このように群れ全体で手厚く子育てしているのにもかかわらず、約80%ものライオンが生まれてから2年以内に命を落としてしまう。

その理由の1つが、オスライオンによる“子殺し”だ。縄張り争いで外部のオスが群れのリーダーに勝った場合、負けたオスは群れを追放され、勝ったオスが新しくリーダーになる。ライオンのメスは子どもが群れから独立するまで発情しないため、メスの発情を促すために群れの子どもたちは新しいリーダーによって殺されてしまうのだ。

さらに子ライオンは非力で動きも遅いため、群れのメスたちが狩りに出かけている隙に天敵のハイエナや鷲などの餌食になってしまうことも少なくない。もちろん大人に比べれば身体も弱いので、狩りが失敗続きで何日も食べられなかったり、病気になったりしてしまった場合にも命を落としやすい。

「獅子の子落とし」こそ行われていないものの、ライオンが大人になるまでの期間は相当ハードモードのようだ。そんな苦境を生き抜いたからこそ、成獣のライオンは気高さと威厳を放っているのかもしれない。