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心臓が体の外に…?「生存率ゼロ」と言われた赤ちゃんを支えた両親の熱い想い

生まれてくるまでの経緯を思えば、すべての赤ちゃんは奇跡だ。そしてこのたび、イギリスで「奇跡を超えた奇跡」と称えられる赤ちゃんが誕生した。

心臓が体の外に発達してしまう「心臓逸所症(Ectopia cordis)」という稀な疾患を持った女の子が生まれたのは3週間前。BBCや複数の英メディアによれば、帝王切開で生まれてから50分後には心臓を体内に戻す大手術を受け、その後順調に回復しているという。今後も人工呼吸器を取り外す手術など様々な治療を必要としているが、このまま順調にいけばイギリスで初めての心臓逸所症サバイバーとなるそうだ。

Healthlineによれば、「心臓逸所症」とは胎児の胸骨が正常に発達しない、もしくはまったく発達しないために肋骨がふさがらず、本来肋骨の中で発達するはずの臓器が肋骨の外や体外に露出してしまう難病だ。なぜ起こるのか解明されておらず、治療も確立していない。発症率は126000分の1と極めて稀で、ほとんどの場合心疾患を伴うため死産となるか、生まれたとしても生存率は極めて低いという。

妊娠16週目に心臓逸所症が見つかった時、母親のNaomi Findlayさん(31)は生存率がゼロに等しいのであきらめたほうがいいと医師に諭されたそうだ。「僕たち以外に誰も助かるとは信じていなかった」と話すのは父親のDean Wilkinsさん(43)。それでも、二人に出産をあきらめる選択肢はなかったという。

赤ちゃんの名はVanellope Hope Wilkins。ちょっと変わったファーストネームは、ディズニーのアニメ『シュガー・ラッシュ(原題:Wreck-It Ralph)』の勇敢なヒロインから名付けられたという。そして、ミドルネームに託された「希望」の名のとおり、不利な条件と戦いながら懸命に生き続けている。

Vanellopeちゃんの手術に携わった小児循環器専門医、Frances Bu’Lockさんによると、Vanellopeちゃんの心臓自体に奇形はなく、また染色体異常がなかったことが幸いしたそうだ。3回の手術では、まず胸を切開して心臓が重力によりゆっくりと中に納まるのを待ってから、腕の皮膚を胸部に移植して切開部分をふさいだという。Vanellopeちゃんは胸骨を持っていないため、将来的には3Dプリントの技術などを使って有機的な代替品を移植する予定だという。

Baby born with heart outside body ‘doing well’ (BBC)

Against the odds: The story of baby Vanellope (BBC)

Girl born with heart outside her body survives surgery in UK first (The Independent)

What Is Ectopia Cordis? (Healthline)

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