Credit : ESA

宇宙は医学を進歩させる…知られざる国際宇宙ステーションの役割

私たちが使っている薬のなかには、宇宙で研究開発されたものがあるのをご存知だろうか。

国際宇宙ステーションでは、宇宙はもちろんのこと、地球でも役立ちそうな研究が各国共同で行われている。植物の成長、人間の体内時計、人間が火星にたどり着くまでにどれくらいの食糧が必要かについて…。各国のクルーメンバーが入れ替わりで宇宙ステーションに滞在し、自ら被験者となって研究に勤しんでいる。

直近では骨粗しょう症、筋萎縮症と眼の病気に関する研究が行われたそうだ。この研究を行ったヨーロッパの「コロンブス」モジュールには小さな「Kubik」と呼ばれる定温培養器が設置された。上の画像で床に固定されている箱がそのKubikだ。イタリアの宇宙飛行士Paolo Nespoliさんも床に足をひっかけて体を固定させているのを見るにつけ、本当に宇宙にいるんだなと妙に納得させられる。

Kubikの中に収められた筋肉、眼球、骨髄の細胞にはそれぞれ様々な処置がほどこされ、微小重力空間で7日間培養してから凍結された。今後地球に送り返され、どのような変化があったか記録されるそうだ。研究データは骨粗しょう症、筋萎縮症や眼の病気を防ぐための新薬開発に役立つという。Nespoliさんは自身の脚の筋肉細胞も提供したというから、まさに体を張った研究と言える。

これらの研究に一貫しているのは、「細胞の死をいかに予防するか」というテーマだそうだ。これまでの研究では、宇宙ステーション滞在後にクルーメンバーの骨密度が減少することが知られている。これは微小重力が代謝に影響し、体がカルシウムを失うからだという。今後人類が宇宙へ進出するためには、微小重力空間でいかに生命を維持できるかが鍵となる。国際宇宙ステーションで学べることは、まだまだたくさんありそうだ。

Cells in Space (ESA)

Nanoparticles-based countermeasures for Treatment of Microgravity-induced Osteoporosis (NASA)

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