人間の身勝手に振り回されて……ウワサの巨大肉食魚「アリゲーターガー」の不憫すぎる事情

数年前から名古屋城のお堀での目撃証言から相次ぎ、2017年夏にようやく1匹を捕獲できたというニュースが大きな話題を呼んだ「アリゲーターガー」。北米原産の淡水魚で、成長すると最大で3メートルにもなることがあるという。その名の通りワニのように大きく長い口には鋭い歯が並んでおり、魚や甲殻類、両生類、時には水鳥や小型の哺乳類まで食べることもある怪魚だ。

彼らは本来、日本の自然環境下には生息していないはずの生物である。しかし、10センチ前後の幼魚は熱帯魚店などで1000円前後で購入できるため、ペットとして飼い始めたものが想定をはるかに超えて大きく成長したことで放流された(棄てられた)ものと推察されている。このような経緯で野生化したと思われる個体は、驚くべきことに東京・神奈川・埼玉・滋賀・大阪・兵庫・熊本など全国各地の河川で確認されているのだ。

生態系への影響が懸念されることから、政府はアリゲーターガーを含むガー種全てを特定外来生物として2018年4月から規制することを決定した。これによって新たな飼育や輸入が禁止されることとなる。

ほとんどの個人が飼いきることのできない大型魚の稚魚を安価で販売する店と、不勉強なまま安易に飼育に手を出し不法遺棄する飼い主。そうした一部の人間の身勝手によって、マイナスのイメージばかりが先行してしまったアリゲーターガーだが、実はシーラカンスやアロワナと同じく白亜紀からほとんど進化していない古代魚であり、いわゆる“生きた化石”と呼ばれるロマンあふれる存在なのだ。

水族館の大きく美しい水槽の中を悠然と泳ぐアリゲーターガーの姿に、思わず足を止めて見惚れてしまったという人もいるだろう。規制によって日本国内における希少性が高まることにより、彼らが持つ本来の魅力に気づく人が増えることを祈るばかりである。

RELATED POST