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5億年前の三葉虫の目は蜂やトンボの目に似ていたことが判明

太古の時代を今に伝える化石。だがこれまで化石からは、後生動物の進化初期段階の複雑な目の詳細に関してわかることは無かった。しかしBrigitte Schoenemannらにより行われた研究では、非常に保存状態の良いカンブリア紀前期の節足動物の化石が用いられ、複眼の内部感覚器が細胞レベルで調べられている。

使われた化石は三葉虫綱レドリキア目に属する「Schmidtiellus reetae Bergström, 1973」。実に5億年以上昔のものだ。三葉虫の起源は未だ謎に包まれているものの、今回の研究に用いられた「Schmidtiellus reetae Bergström, 1973」が属すOlenelloidea上科は、これまで見つかっている三葉虫の中でも一番古いもので、以降の三葉虫の繁栄にも重要な役割を果たしたとみられる。この化石の複眼は現代の蜂やトンボの複眼と同じ構造をしているものの、現代生物の複眼にあるようなレンズ構造は無いことが判明した。外側からの観察ではレンズ状のディスクが目に見られるものの、内部要素としては光の反射を生じさせるような凸状にはなっておらず、カブトガニ目アメリカカブトガニ属の持つようなレンズシリンダーも無いようだ。このことから、この三葉虫の目は、ものをはっきり見ると言うよりも動きを判別することで、捕食者や障害物を感知する役割を果たしたのでは無いかとみられている。

仕組みはより単純であったものの、基本構造は現代に生きる生物と同じだったという事は、三葉虫の目は5億年の昔から今まで廃れること無く使われ続ける「優れたデザイン」と言うこともできるかもしれない。

Structure and function of a compound eye, more than half a billion years old(PNAS)

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