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何が彼女を「魔性の女」に変えたのか? 愛に飢えたミスコン女王が迎えた哀しき結末

男たちを惑わし夢中にさせ、思いのままに操る“魔性の女”。自由奔放で自分の気持ちに正直に生きる彼女たちと、その魅力に翻弄されるがままとなってしまう男性には、いずれも共通して「愛に飢えた寂しい心」を持つケースが多いという。 

ワシントン州のウィドビー島に住むペギー・スー・トーマスもまた、そうした心の闇を抱える女性の一人だった。180センチを超える長身と赤い髪が目を引く抜群の美女であり、良き母・良き妻として充実した日々を送っていたが、その順風満帆な人生の歯車が狂い始めたのは、2年も気づけずにいた夫の浮気発覚からだ。 

夫婦関係再構築の道を選んだものの、心の奥底で淀み続ける「夫を見返したい」という思いは、ペギー・スーを“ミセス・ワシントン”出場へと突き動かした。そしてトレーニングを重ねて見た目に磨きをかけ、初出場にして見事4位に入選。彼女は自信を取り戻し、初めての名声に酔いしれたが、次第に自らの美に対する“注目”と“称賛”に強い執念を抱くようになっていく。 

やがて小さなウィドビー島では飽き足りなくなったペギー・スーは夫と離婚。華やかなラスベガスへと拠点を移すとタガが外れたように人柄も変わり、パーティーや夜遊びに明け暮れる日々を過ごすようになる。新たな交際相手でロックスター志望のジムは、彼女が望む通りに動き、満足させてくれる存在だった。 

2003年12月、彼女はジムを連れてウィドビー島に帰郷。そして島に住む親友と恐ろしい計画を企てる。親友の夫にかけられた保険金50万ドルを手に入れるために、彼を殺害しようというものだ。夜遊びによる借金を抱えていたぺギー・スーと、自分の人生から夫を消し去りたい親友によって立てられたこの計画だが、“魔性の女”の魅力に溺れるジムが実行犯役を被るのは必然的な流れだった。 

ほどなくして、島のうら寂しい場所に駐車された車の中から男性の射殺体が見つかる。それと前後し、ペギー・スーたちは再びラスベガスへと戻っていった。 

警察は3人に嫌疑をかけながらも、決定的な証拠をつかむことができず捜査は難航したが、実は妻帯者だったジムの“浮気性”が裏目に出た。彼に愛想をつかした妻が潜伏先を当局にタレこんだのだ。ジムは逮捕後もペギー・スーをかばって頑なに自供を拒否したが、犯行に使われた銃の説明書から指紋が検出されたことで彼女は殺人共謀者として起訴され、4年の実刑判決が下されることとなった。 

たしかに犯した罪は重大だが、これを「愛に飢えた女の末路」と単純に結論づけてよいものだろうか。愛する夫の裏切りによってぽっかりと空いた心の穴を埋めようともがくも、その穴の向こうの闇に飲みこまれてしまった女性が迎えた切なく哀しい結末だ。 

「ミスコン女王殺人 ペギー・スーの場合」はディスカバリーチャンネルにてご視聴頂けます。ディスカバリーチャンネルを未視聴の方は、こちらからご確認ください。

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