星間飛行中のボイジャー1号、37年ぶりに軌道修正エンジン点火

地球から209億キロメートル――。途方もなく遠い宇宙空間を飛び続けているボイジャー1号が地球を出発したのはもう40年前のこと。いったん地球を離れてしまえば直接メンテナンス作業を行えないが、まだまだ現役のようだ。つい先日、2017年11月28日には、37年間も使っていなかったロケットエンジンの点火に成功したとNASAが発表した。

ボイジャー1号は日々地球と交信しているが、アンテナを地球の方角に向けないとデータの送受信ができない。そこで、「ACTスラスター」と呼ばれるロケットエンジンを使い、必要に応じてミリ秒単位で噴射して姿勢制御を行ってきた。

ところが40年の時を経て、このところスラスターの劣化が認められるようになり、噴射の効果が以前より低下してしまったという。そこでボイジャーのフライトチームが考えついたのが、1980年以来使用していなかった二次的な「TCMスラスター」を稼働させることだった。

このTCMスラスターは、ボイジャー1号が木星と土星を通過した際に、様々なアングルから惑星と衛星の姿をとらえるために軌道の微修正を行う際使用されたが、その後37年間まったく使われていなかったという。長期間未使用だったことに加え、もともと連続噴射モードで使われていたTCMをACTのように単発で噴射できるのかも懸念された。フライトチームに所属するジェット推進研究所チーフエンジニアのChris Jones氏らは、何十年も前に旧式のアセンブリ言語で書かれたプログラムを引っ張り出してきて確認作業を行ったそうだ。

スラスターを遠隔操作してから結果が地球に到達するまでかかった時間は19時間35分。果たして、TCMスラスターは噴射に成功し、見事軌道修正できた。来年1月からTCMスラスターに切り替えることにより、ボイジャー1号の探査機としての寿命を2、3年延ばせるそうだ。

ボイジャー1号の活動はNASAのホームページ上で確認できる。さらに詳しくNASAの宇宙開発について知りたい方はこちらのディスカバリーチャンネルの番組もおすすめだ。

Voyager 1 Fires Up Thrusters After 37 Years (NASA)
Mission Status (NASA Jet Propulsion Laboratory)