日本が誇る鉄道技術、その多彩で巧みな技と近未来にどっぷり浸る博覧会「鉄道技術展2017」

1872(明治5)年、新橋と横浜の間に蒸気機関車が走り始めて145年。日本の鉄道は、世界でも類を見ない正確さ・定時性をはじめ、都市部では1分おきに電車がやってくるという過密ダイヤなどで知られる。

こうした正確さ、速達性、定時性、安全性、快適性などを支える日本の鉄道技術を、集結させたイベントが行われた。題して「第5回鉄道技術展2017 Mass-Trans Innovation Japan 2017」。今年は千葉・幕張メッセで11月29日〜12月1日に行われた。

車両・構造、運行管理、旅客設備、軌道、土木など、あらゆる鉄道分野の技術が一堂に会する総合見本市「鉄道技術展」。その第5回は、525社・団体が参加し、自慢の技術、未来を予感させるコンセプトモデル、歴史的資料などを公開。3万人の来場者が、多彩な技術を体感した。

運転台にも変化の兆し…計器類は全てデジタルに!?

鉄道車両とリアルタイムにかかわるのが、運転士。その操作系、インターフェースも大胆に変わる兆し。三菱電機のフルフラット運転台は、凹凸がほとんどない平面ガラスで構成されたもの。

運転台の左手には、車両の前後を切り替えるレバーと、マスコン(マスターコントローラー)が立つ。それ以外はすべてガラスで覆われ、LED液晶画面でスピード、電流、前後列車位置などが表示される。上面のパネルがやや湾曲し、反射や映り込みを防ぐなどの工夫が見られる。

自動改札に生体認証機能…手のひらをかざすだけで入場

車両とそれを動かす人間とのインターフェースが変われば、鉄道利用者の乗降シーンも変わる。オムロンは、生体認証自動改札機を展示。銀行ATMなどでは現在、指紋認証などが登場し、ATM利用時や窓口での振り込みなどで、手のひら認証をクリアして、パスワード入力へとすすむスタイルが普及している。

オムロンの生体認証自動改札機は、この銀行キャッシング時の手のひら認証と同じように、事前に自身の手のひらを記憶させ、自動改札通過時に、手をかざすだけで改札ゲートが開くという仕組み。これまで自動改札通過時、ポケットやバッグから交通系ICカードやスマートフォンを取り出して、カードリーダーにピットやって、再び戻すという一連の動きが求められるが、この動作も要らなくなる。

屋外ステージには、なかなかお目にかかれないレアな車両が続々

第5回となる今回は、初の試みとして屋外に「軌道ステージ」を設置。屋外に約25mの軌道(レール)を敷設したステージで、「ATカート大集合!試乗会」「エンジン式タイタンパー(VPS)体験会」「自走式波状摩耗削正器(砥石式、ベルト式)実演会」「地中探査装置実演会」などが行われた。

また、実際に現場で使われている実機や、鉄道現場の近未来を予感させるコンセプトモデルなども展示された。レールや路盤、架線などをメンテナンスする保線車両の展示も注目を集めた。保線車両は、旅客列車が終了したあとの終電後に姿を表すため、一般的に“出会えないレア車両”として知られている。

そのなかでも軌陸車という車両は珍しい構成を持つ。その名のとおり、軌道と陸(道路など)の両方を走れる保線車両で、銃器メーカーのほか建設機械レンタル事業者なども開発・製造に参入。キャタピラーと車輪を組み合わせたコンセプトモデルの展示もあり、事業関係者が担当者にプライス幅や細かな機能について聞き込む姿もあった。

一方、ユニークでマニアックな保線事業者も。JR東日本エリアの新幹線の保線を担う東鉄工業などは、真夜中に出動するREXS新幹線レール交換システムを、鉄道模型で自作した。「この鉄道技術展のために3Dプリンターでつくった」という力作で、その長さは、16両編成の新幹線をしのぐ長さで圧倒的。

鉄道関係者も鉄道好きも、年齢・性別を問わずドキドキ・ワクワクできる鉄道技術展。次回はどんな新技術やビジョンが見えてくるか、終わったばかりなのに今から楽しみだ。

第五回 鉄道技術展 2017

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