飼い猫を外に放す双方向のリスクとは?

ネコが「侵入生物種」に指定されていることをご存知だろうか。

もともとペットとして人間に飼われ始めたネコだが、野外で放し飼いにされることも多かったため、やがて特定の飼い主を持たず都市部で半野生化した「ノラネコ」や、自然環境で完全に野生化した「ノネコ」になるケースも出てきてしまった。

ノネコやノラネコは生きるために小動物を狩る。ネコはもともと狩猟本能が強い上に繁殖率が高いことから、国際自然保護連合(IUCN)が定めた「世界の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれてしまうほど自然環境に悪影響を及ぼしているそうだ。

ペットとして飼われているネコも、時に遊びの対象として小動物を狩ることがある。総合してみると、ノネコ、ノラネコ、ペットのネコに狩られて命を落とす小動物はとても多いそうだ。カナダの環境省が実施した研究によれば、カナダでは年間約2億羽の野鳥がネコの餌食になっている。これは建築物に衝突して死亡するよりも、送電線で感電死するよりもはるかに多い犠牲だという。

しかし逆にいえば、屋外に解き放たれたネコ自身も人為的な被害を被っている。交通事故に遭ったり、さらに大きな野生の動物に狩られたりして犠牲になるネコも非常に多い。この双方向の危険性は、元はといえばすべて飼い主である人間の責任ではないだろうか?

そう考えた大学院生のDenise Kingさんが、今カナダのThompson Rivers Universityでこんな研究を進めている。地元ブリティッシュコロンビア州のカムループスでウェブ上のアンケート調査を行い、周囲の住民が放し飼いのネコについてどう思っているか、またどう規制したら野生動物への被害を食い止められるかなどの意見を収集中だ。研究結果はいずれ「屋外で飼われるネコと自然環境について」と題された修士論文にまとめられる予定で、この論文を機に市政レベルでネコの放し飼いについて議論を活性化させたいそうだ。

Deniseさん自身、自称「Cat Lady」を名乗る大のネコ好き。ネコを放し飼いにしていた時期もあったが、中には交通事故で亡くしてしまったネコも…。この研究を通じて、ネコに対する危険性と、ネコが及ぼす危険性の双方を併せ持つ放し飼いについて、より多くの人に理解してほしいとDeniseさんは語っている。また、責任ある飼い主になるためはネコを外に放す際にはハーネスをつけるなど、いろいろな工夫があることも知ってほしいそうだ。

TRU researcher wants input for cat study (Kamloops This Week)
A Synthesis of Human-related Avian Mortality in Canada (Avian Conservation and Ecology)
侵入生物データベース(国立環境研究所)
希少種とノネコ・ノラネコ(環境省)