現代に生きる恐竜の末裔「トゥアタラ」 歴史を生き延びた不可思議な生態とは

2億年前から変わらぬ姿で現代を生きる、3つの目を持つ生き物――まるでSF映画に登場するモンスターのような話だが、これは実在する「トゥアタラ」という生物である。

火山活動や地震が引き起こした地形変動によって特有の環境が形成され、多様な生物種が独自の生態系を築いているニュージーランド。この地でしか見ることのできない個性豊かな生き物たちの世界を紹介するシリーズ『現代の恐竜たち』が今回スポットを当てたのは、“生きた化石”と言われる原始的な爬虫類・トゥアタラだ。

トゥアタラは「ムカシトカゲ」という和名を持つものの、いわゆるトカゲとは異なる系譜の生き物。爬虫類の祖先として知られる“喙頭類”の唯一の生き残りにあたり、その起源は恐竜が現れるより2000万年以上さかのぼる。ギザギザとした背中はまるで恐竜のミニチュアのようで、ペットとしても魅力的……なんて思ってしまいそうだが、1895年以来絶滅危惧種に指定されている非常に希少な生物なのであしからず。

そんなトゥアタラを語る上で欠かせない特徴の一つが、頭蓋の頂点に存在する“第3の目”こと頭頂眼だ。その網膜は神経で脳とつながっており、本来の目とよく似た構造を持つ。しかし、生まれてから半年たらずでウロコで覆われてしまうこの器官が持つ役割については諸説あり、いまだに解明されていない。

また、彼らはとんでもなく長寿で、なんと100年以上も生きるというから驚きだ。獲物が少ない時期には代謝を下げることで12か月間も飲まず食わずで過ごすことができ、こうしたスローな生き方が長寿を可能にしているらしい。もしニュージーランドに旅行する機会があったなら、サウスランド博物館で飼育されている推定年齢120歳の大御所“ヘンリーくん”に会いに行かない手はないだろう。

それにしても、6600万年前メキシコ東部に衝突した隕石が恐竜を絶滅に追いやり、地球上の7割以上の生物が死滅する中、なぜ体長60~80センチ・体重1キロほどしかない小さなトゥアタラが生き延びることができたのだろうか?

その答えは、トゥアタラ同様に絶滅を免れた世界最大の爬虫類・イリエワニの生態や、6500万年前、つまり恐竜が絶滅に追いやられた直後の“地層”に隠されていた。地球史上最も繁栄した生物である恐竜には無く、トゥアタラが有していたある特徴――その優れたサバイバル術を知ったとき、あなたはこの奇妙な生き物のとりこになってしまうかもしれない。

「現代の恐竜たち 絶滅を免れた生物」はアニマルプラネットにてご視聴頂けます。アニマルプラネットを未視聴の方は、こちらからご確認ください。