フィンランドでコオロギパン販売開始!「カリカリと歯ごたえのよい生地」

ヨーロッパイエコオロギの粉末を小麦粉に混ぜて焼き上げた新食感の「コオロギパン」が話題を呼んでいる。職人がひとつひとつ店内のオーブンで焼き上げるパンは一見ふつうだが、一個につきおよそ70匹分のコオロギ粉末が含まれているそうだ。フィンランドでは今年11月1日に昆虫食を禁止する条例が撤廃されたばかりだが、そのわずか3週間後にFazer(ファッツェル)Bakeryがいち早くコオロギパンを商品化した。

去年の夏頃から開発が進められていたというコオロギパンの特徴は「食感を楽しめるカリカリとした生地」。パンの総重量に対して3%という「軽さ」でコオロギの粉末が配合されている。コオロギ粉末がまだ量産化されていないため、コオロギパンの販売は今のところ首都ヘルシンキを中心に11店舗で限定販売されるが、いずれ国内全47店舗へと段階的に拡大していく狙いだそうだ。

Fazer BakeryのJuhani Sibakov氏によれば、コオロギパンは美味しさもさることながら、栄養価が高いのもオススメのポイントだそう。コオロギはよいタンパク源であると同時に脂肪酸、カルシウム、鉄、ビタミンBなども多く含有しているそうで、チャレンジ精神が旺盛なフィンランド人には受け入れやすい「未来の食」なのだそうだ。

Fazerは1891年に創業したフィンランドを代表する老舗食品メーカーで、パンのほかにもチョコレート、グミ、キャンディー、クッキーなどの食品市場を国内外に開拓してきたパイオニアだ。これまでにも新しい食材を取り入れて未来志向のパンを創り出してきており、コオロギパン以前は小麦粉の量の3分の1を他の植物由来の素材に置き換えた「根菜パン」や「種子パン」を開発してきた。

日本では古くからイナゴを食べる習慣もあり馴染みが深いほうかもしれないが、いまや昆虫食は食料問題の対策の一つとして世界的に注目されている。国際連合食糧農業機関によると、昆虫はどこにでもいることに加えて餌料変換率が高く、栄養価も高いうえに環境に与える被害が少ない生物として未来の食糧難を救うカギとなるそうだ。昆虫は全体を食べることも、粉状もしくはペースト状に加工して他の食べ物と混ぜることもできるので、あらゆるレシピに対応できるという利点もある。

ちなみに、世界的に1900種類以上の昆虫食が確認されている中で最もよく食べられているのは、甲虫類(31%)、毛虫・イモムシ類(18%)、ハチ(14%)、バッタ類(13%)、セミ(10%)、シロアリ(3%)、トンボ(3%)、ハエ(2%)だそうだ。

それにしても気になるのはコオロギパンのお味。いつか試してみたいものである。

Fazer first in the world to introduce insect bread to grocery stores (Cision)
昆虫の食糧保障、暮らし そして環境への貢献(FAO:国際連合食糧農業機関)