Credit : National Renewable Energy Laboratory

無数のパネルと巨大な塔…この施設はいったい?

米ニューメキシコ州アルバカーキにそびえ立つ高さ約61mの塔。塔の周りには多数の鏡が配されているこの施設、いったい何を行っているのだろうか?

「こんな光景を映画で見たことがある」という方も少なくないかもしれない。今年公開された映画『ブレードランナー2049』でも背景として同様の形状のソーラー施設らしきものが多く並ぶ光景が見られた。2005年の映画『サハラ 死の砂漠を脱出せよ』では、太陽光力を使い鏡と塔を利用するためこれと同様な見た目の海水淡水化施設がアクションシーンで描かれている。

しかしニューメキシコ州のものは、従来の同型状のソーラー施設とも違うし、太陽光の力を使いはするものの海水淡水化施設でもない。実はこの施設、最新の太陽光発電のテストを行っている「National Solar Thermal Test Facility」(国立太陽熱実験施設)と呼ばれる施設なのだ。

Credit: National Renewable Energy Laboratory

従来のこの形の太陽光発電施設では、集めた熱で水を沸騰させた蒸気でタービンを回し発電していたが、この新たな施設では、水の代わりに細かなセラミックの粒子を使用している。セラミックの粒子の一部は1000度以上の高温を保つため、夜間でもタービンを回して発電することができるのだ。従来の水を沸騰させる仕組みのソーラーパネルでは、夜間に電気を使用する場合、日中に高価なバッテリーなどにエネルギーを蓄えておく必要があった。

ただ、これを実用に耐えるものとするには課題もある。熱源が700度以上にならないとこのシステムの能力を完全に引き出せず、またそれだけの高温で作動させることの可能な熱交換システムが必要となることも課題とされている。実験では酸化アルミニウムや酸化鉄でできた粒子は900度まで熱することが可能だった。

現在のところこの施設には、粒子を受け止める部分しかついていないため発電はできず、熱交換システムも今のところ開発中だという。従来の太陽光発電よりも安価でサステナブルなものを目指し開発されているこの技術は、我々の夜を明るく照らすソーラー技術となるだろうか?

To Make Solar Really Work, Turn Up the Heat(MIT Technology Review)
Concentrating Solar Power Gen3 Demonstration Roadmap(NREL)

RELATED POST