Credit : Scientific Reports

クローン犬のクローンが韓国で誕生

一卵性の三つ子にも見えるこの無邪気なアフガンハウンドたちは、実はクローンされた犬からクローンされた世界初のクローン2世犬だ。彼らの元となったのは2005年にソウル大学校で誕生した世界初の体細胞クローン犬、「Snuppy」くん(Seoul National Universityで生まれた「puppy(子犬)」なのでこの名前がついたそう)。Snuppyくんは2015年に迎えた10歳のお誕生日の13日後に亡くなったが、液体窒素に極低温保存されていた彼の細胞からまたクローンが作り出されたそうだ。

かの有名なクローン羊のドリーが1996年に誕生して以来、ネズミ、牛、豚、ヤギ、ウサギ、猫や犬などの動物が次々と体細胞核移植(somatic cell nuclear transfer)という技術によりクローンされてきた。おおざっぱに言うと、体細胞核移植ではまずクローンしたい動物の体細胞から核を取り出し、あらかじめ核を取り除かれた卵子に注入する。卵子の中に入った体細胞の核は、卵子の細胞質により組み替えられて受精卵となり、代理母の体内に移植されやがて瓜二つのクローンとして誕生してくるそうだ。

動物の体細胞クローン技術は、絶滅危惧種の保護や、優れた特徴を持っている個体を増やすためなどに役立つとされる一方で、実際クローンされた動物の詳細な健康状態や繁殖力については今まであまり研究されてこなかったという。羊のドリーは平均寿命の約半分しか生きられなかったため、クローン動物においては老化の進み具合が早いのではないかと懸念されたりもしたが、Snuppyを作り出した韓国の研究者たちは、長年の研究を経てクローン個体が元の個体に劣らないという結論を11月10日に発表したばかりだ。

Snuppyくんと元となったアフガンハウンドの「Tai」くんは、どちらもアフガンハウンドの平均寿命である11.9歳に近い年齢で亡くなっている。どちらも晩年には癌に侵されたが、Snuppyくんは10歳で病死、Taiくんは12歳で飼い主の意向により安楽死させられたという。今後、研究者たちは引き続きSnuppyくんのクローン3匹を観察し、クローン動物の生態や遺伝性疾患の発症例などを明らかにしていきたいそうだ。

ちなみに、今韓国では体細胞クローン技術を使って愛するペット犬をクローンするビジネスが大盛況のようだ。アメリカのセレブなどが大金を払って長年連れ添った飼い犬をクローンし、「蘇生」させているそうだが、一方では生命倫理学者の間で懸念の声も上がっている。

Birth of clones of the world’s first cloned dog (Scientific Reports)
Sooam Biotech Research Foundation

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