リハビリをエンターテイメントに…米大学が取り組むゲームの医療活用

VRは今後エンターテインメントの世界を大きく変える事になるだろう、しかしMarientina GotsisはVRにより医療の世界も変えようとしている。

Gotsisはアメリカの南カリフォルニア大学 (USC)の「Creative Media & Behavioral Health Center」(CMBHC、クリエイティブ・メディアと行動保健学センター)所長。彼女はVR関連で知られる人物で、GoogleによるVR体験『Bohemian Rhapsody Experience』などにも関わっているが、人々の健康やリハビリテーションとインタラクティブ・エンターテインメントとの融合に興味を持ち、VRを活用してそれらの分野を開拓しつつある。

VRを利用したパーキンソン病のリハビリシステムの開発にも携わる他、同じくVRを利用した『Skyfarer』という研究プロジェクトを行っている(より厳密な言い方をすればこれらはどちらも複合現実「MR」だが)。『Skyfarer』はUSCのThe Master of Arts in Cinematic Arts(シネマティック・アート文学修士課程プログラム)の研究プロジェクトで、車椅子に取り付けられた装置を操作するVRゲームとなっている。

これは「繰り返しが多くつまらない」(Gotsis)身体的なリハビリ・理学療法を、より楽しいものにするものだ。内容としては上半身のリハビリ専用だが、プレイヤーにあわせて内容をパーソナライズすることで、それぞれのプレイヤーに必要な理学療法の過程をゲームとして楽しめるものとする。こうすることで最終的には可能な限り脊髄損傷者が電動車椅子を使用すること無く、独立性を維持できるようにするというのが狙いだ。

この修士課程プログラムはCMBHCとの協力プログラムで、「メディアアート、ゲーム、健康」に重きを置いたもので、現在二人の学生がこのプログラムで学ぶものの、実際にプログラムが正式に開設されるのは来年秋だ。そのうちの一人Christina Lelonは心理学の教授とともに共感的傾聴の技能を向上させるためのゲームを作ろうとしている。

医療にゲーミフィケーションを取り入れたものは何も新しいものではないが、デジタル時代はそこに新たな可能性を与えた。例えば2000年代に入ってからは若いガン患者に治療内容を理解させて治療に役立てようというゲーム『Re-Mission』が作られている。最近になり仮想現実VRに注目が集まる中、ゲーミフィケーションにさらにVR技術が加わることで新たな可能性が見えてくるだろう。今回紹介したようなプログラムを卒業した学生達が将来有名なVRクリエイターとなり、医療の世界に革新をもたらしてくれることに期待したい。

Gaming and medicine come together for unique research in the U.S. and beyond(USC News)
School of Cinematic Arts Directory Profile(USC Cinematic Arts)
Re-Mission: Where It All Began(Hopelab)