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宇宙開発や医療に活用される複合現実「MR」ってどんな技術?

仮想現実「VR」、拡張現実「AR」に次いで、話題になりつつある複合現実「MR」。「MR」こと「Mixed reality」とは、文字通り「複合現実」だ。「MR」は、仮想現実「VR」に含まれる概念と考えてもいいだろう。「バーチャルな現実」である「VR」の中に、実際の現実からの要素が混ざったものが「MR」なのだ。そのため、現実の中に仮想現実が入れ込まれた拡張現実「AR」こと「Alternative Reality」も「MR」の一部とすることができる。

例えば、恐竜の居る仮想現実世界に居るような体験ができるのが「VR」という大きな概念、その中でも現実世界のあなたの体の動きなどがその仮想現実世界とインタラクトできるのが「MR」といった感じだ。このようなMRを使った技術のなかでも我々一般人が楽しめるものとしては、Oculus Rift、SonyのPlayStation VR、HTC Viveなどがある。これらのデバイスでは、主に複合現実をゲームやエンターテインメントとして体験できるようになっている。しかし、それだけがMRの使い道ではない。

MicrosoftのHoloLensは建物の設計にも利用されているし、同様の技術は、建物の販売時に顧客が(未だ建設中の)建物内部に居る体験をさせることも可能だ。

ISSで実際に2015年より使用されていた、MicrosoftとNASAの共同プロジェクト「Sidekick」というものもMRを利用したものだ。Sidekickの使い方には、地上のオペレーターがISS乗組員の見ている光景を見て、リアルタイムで乗組員の視界中にアノテーションを描き入れて指示を出すことができる「Remote Expert Mode」や、乗組員が作業をしている物体の上に作業工程をホログラフ画像をアニメーション表示させることのできる「Procedure Mode」などがある。これにより乗組員の訓練時間を短くすることが見込まれる。そのぶんわからないところはMRにより表示される指示により、視覚的に理解しやすい方法で解決するというわけだ。宇宙に限らず、特に計器やスイッチなどが多い環境などでは口頭説明よりもこのようなMRの方がわかりやすいだろう。

MRはなにもヘッドセットを必要とするわけではない。服をわざわざ着替えなくても試着する体験ができるバーチャルミラーなどが存在するし、医療の現場でも恐怖症克服のためのARを用いたセラピー、プロジェクトマッピングによる複合現実を応用した手術が行われている。

AppleもARに注目しており今年になりARKitをリリースしているし、Microsoftの「Windows Mixed Reality」も最近になって大手ゲーム販売プラットフォームSteamのVRゲームに対応するなどしている。いまだ生活に浸透しているという感じはしないものの、MRは訓練、教育、医療、様々な分野において、今後私たちの生活の身近なところでも、生活を支える裏側でも活用されていくことだろう。

NASA, Microsoft Collaborate to Bring Science Fiction to Science Fact(NASA)

プロジェクションマッピングを応用した泌尿器腹腔鏡手術(mixed reality surgery)の経験(J-STAGE)

(Fitnect)

Application of Virtual, Augmented, and Mixed Reality to Urology(NCBI)

Introducing ARKit(Apple)

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