HIVと鬱、そこに犬がもたらすもの

ヒト免疫不全ウイルスHIVに感染している人は、そうで無い人と比べて鬱である確率が2倍であるという。そして、HIVの増殖を抑えるための抗レトロウイルス療法を怠ることと鬱の関連性も指摘されている。JMIR Publicationsで発表された研究では、犬を飼うことが鬱を緩和するということから、犬を飼うことがHIVポジティブの人に対して与える影響を調べている。

分析の対象となったのは18歳以上の199人のHIVポジティブの人。二変量解析の結果からは、年齢、人種、民族、性別、性的指向と鬱との有意な関係性は認められなかった。分析対象の68.3%が犬を所有していたのだが、犬の所有と精神的な回復力に関しては鬱との有意な関係性が認められた。また、犬を現在飼っていない人は、現在飼っている人と比べて鬱の確率が3倍高かった。このことから、犬の所有は鬱の可能性を下げるとともに、エイズ感染者の健康面に長期的な良影響を与えるという可能性が示唆されている。

なお、この研究は全てインターネットを通じたアンケート調査を元にしたものとなっていることにも注意を払いたいが、犬を飼うことにより人の心に訪れる安らぎは、病があっても同じのようだ。

A Web-Based Study of Dog Ownership and Depression Among People Living With HIV(JMIR Publications)