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七面鳥のローストに含まれる、人の気持ちを変える「ある成分」とは

みなさんは「七面鳥(ターキー)」を食べたことはあるだろうか?日本の食卓にはあまり馴染みのない食材だが、アメリカの「Thanksgiving(感謝祭)」には欠かせない象徴的な家庭料理だ。ちょうど日本の勤労感謝の日あたりに毎年行われる感謝祭は、家族が華やかな食卓を囲む伝統行事。親戚一同が着飾っておばあちゃんやおじいちゃんの家に集い、ターキーが焼き上がるのを待ちながら祝杯を上げ、和やかな時間を過ごす。

そのターキーだが、大きいものだと10kg前後もあり、日本のスーパーで売られている丸鶏とはケタ違いのインパクトとカロリーだ。ターキーの調理法としては、まず全体にバターを塗りこんでから丸々とした腹の中にパンと香り高い野菜を詰め込み、オーブンでひたすら焼くこと3~5時間。鶏肉に比べると脂質が低く味も淡泊なので、薄く削いだ肉の上にこんもりとクランベリーソースやグレイビーソースをかけていただく。

山盛りのターキーを食べた後はもれなくデザートワインやパンプキンパイがふるまわれ、この時点で多くの感謝祭参加者はソファに倒れこんで爆睡するのが常だ。あまりにも多くの客人が睡魔に襲われるので、ターキーにはなにか眠気をひき起す成分が含まれているのではないかと疑われるほどだ。

実際、ターキーには「トリプトファン」というアミノ酸が含まれているが、これは眠りをつかさどる「セロトニン」の化学的前駆体なのだそうだ。単純に考えると、ターキーを大量に食べたことでトリプトファンが体内に蓄積し、やがて脳内の神経伝達物質として働くセロトニンに変わって眠気を呼び起こすと考えられがちだが、そうではないらしい。

トリプトファンは、ターキーなどの肉類のみならず魚、豆、種子、ナッツ、豆乳や乳製品にも含まれているそうで、なにもターキーを食べ過ぎたからといってセロトニンの過剰分泌につながるわけではないと科学者がきっぱりと否定している。

ところが、こんな科学的な研究成果も発表されている。0.8gのトリプトファンを実験的に摂取した人は、摂取しなかった人よりも他人への信頼度を高め、協力的になれたというのだ。これもまたセロトニンによる作用だそうで、例えば100gのターキーに0.31gぐらいのトリプトファンが含まれていると計算すると、お腹いっぱいターキーを食べた後のセロトニン効果は期待できそうだ。

相互の信頼関係が高められ、和やかな感謝祭がさらに平和な、あたたかいムードに包まれる――。たとえ毎年片付けをサボる親戚がいたとしても、トリプトファンに免じてそれはそれで許せるのかもしれない。

No, turkey doesn’t make you sleepy – but it may bring more trust to your Thanksgiving table (The Conversation)

Tryptophan Promotes Interpersonal Trust (Psychological Science)

Turkey FAQs (University of Illinois Extension – Turkey for the Holidays)

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