人は約8000年前からワインを愛していた…ジョージアでワイン用土器発見

人間とブドウ酒の長い歴史は、現在のジョージア(旧グルジア)あたりで始まった可能性が強まったそうだ。ジョージアの首都トビリシからおよそ50㎞南にある2つの遺跡から見つかった壺型の土器の内側からは、まぎれもないブドウの痕跡が科学的に検出され、ワインの醸造に使われたとみられている。壺は紀元前6000~5800年のものと推定されており、日本の歴史でいえば縄文時代前期に相応する。

これまで世界最古のワインとされてきたのはイラン高原の南西のザグロス山脈付近で見つかった紀元前5400~5000年の土器だった。ちなみに今までで発見されたもっとも古い酒は、中国の黄河流域で発見された紀元前7000年のもの。こちらにもブドウは含まれていたものの、サンザシ、米、ハチミツなど多種の材料を混ぜ合わせて発酵させた飲み物だったようだ。

ジョージアの土器は高さ1m、幅1m、容積は300ℓを超えるそうで、この時代にすでに大規模なワイン造りを行っていた痕跡がうかがえる。土器の上部にはブドウの房と思われる飾りがあしらわれ、また別のものには人間がブドウの間で両手を上げている姿が表現されており、これはブドウ棚の下で踊る人のモチーフの原型として最古ではないかとされている。8000年前にはすでにワインが医薬品・社会的潤滑油・向精神薬として重宝されていた様子が垣間見え、当時のワイン文化を知る上で貴重な手掛りとなりそうだ。

また土器の調査と共に現場の土壌検証も行われ、新石器時代の地層からブドウの化石化した花粉も発見されたそうだ。野生のブドウ(Vitis vinifera sp. Sylvestris)がこの頃すでに栽培されていた可能性が高いことを示しており、その後ブドウが世界中に渡り、現存する約1万種の栽培品種に改良されていったとみられている。

Credit: Ministry of Culture and Monument Protection of Georgia
 
8000年前からワインが飲まれていたのも驚きだが、実はジョージアでは今もさほど変わらないかたちでワインが作られているのだからさらに驚きだ。2013年にユネスコの無形文化遺産に登録された「Qvevri(クヴェヴリ)」と呼ばれるワイン醸造法では、ブドウを潰して汁、皮、茎、種もろとも巨大な素焼きの壺に入れ、蓋をして地中に埋めた状態で半年ほど発酵させるそうだ。

11月16日に解禁される2017年のボジョレー・ヌーヴォーも楽しみだが、この冬はジョージアのワインも味わってみたくなる発見だ。

Early Neolithic wine of Georgia in the South Caucasus (PNAS)

Ancient Georgian traditional Qvevri wine-making method (UNESCO)