夢の競演!RALLY NIPPON 2017の舞台裏

10月24日、多くのクラシックカーファンに見守られ 華やかに幕を閉じたRALLY NIPPON 2017。日本最大級のクラシックカー・イベントの仕掛け人は、どのような思いで今年9年目となるこの祭典に臨んだのか。主催者である一般財団法人ラリーニッポン代表理事・小林雄介氏に、その熱い胸の内を聞いた。

—そもそも、どういったきっかけでRALLY NIPPONを立ち上げたのですか?

小林雄介(以下、小林):2007年、イタリアのクラシックカーレース、ミッレミリアに参加しました。400組中、日本人はたった4組。周りは外国人だらけだったのですが、彼らは本当に日本のことを熟知していて、レース後のディナーの席でも 日本の文化について 質問攻めにあいました。でもこっちは日本のことなんかほとんど知らなくて、きちんと答えられない。「これはまずい!」と思いましたね。ミッレミリアを通じて いくらイタリアの素晴らしい風景や文化を堪能できても、日本のことを語れないのは恥ずかしいと。そこで、きちんと日本の文化を自分たちで理解し、世界の人々に伝えていきたいと考えたわけです。

Rally Nippon 2017

 

—クラシックカーは、その文化を伝える媒介の役割をしているわけですね

小林:そうです。そして同じ方向性の人が集まるといろいろなつながりができる。職業や年齢を超えて、世代もつながっていく。地域と地域もつながり、やがては国と国ともつないでいく。要するに、人間関係が一番大事なのです。

もう一つは、クラシックカーを通じて「古くていいものを長く使う」という大切さを語っていきたいですね。それからクラシックカーはガソリンばかり使って公害と言われることもありますが、未来を知るためには、過去を知ってそこから学ぶことが大切だと考えています。

—ご自身の愛車について教えてください

小林:4台ありますが、一番愛着があるのはアルファロメオ ジュリア スプリント スペチアーレ 1963年製。これは僕が初めて買ったクラシックカーです。ディーラーやメカニックとのやりとりの中、いろいろな失敗と経験を重ねながら8年かけて直したんです。

また、僕はデザイナーの思いがそのままキープされている本当の初期モデルが一番好きで、4台あるうちの一つ、ランチャ フルビア スポルト ザガート 1966年製は、は生産17台目なんです。

Rally Nippon 2017

—日本と海外のレストア技術についてどう思いますか?

小林:やはり欧米の方が上ですね。それもイギリスのレストアがすごい。なぜかってやはり自動車の歴史が長いですからね、例えば「アストンマーチンの1950年代専門店」のようにメーカーの年代別でもビジネスが成り立ってしまう。

細分化されているんです。これは勝てない。

また、アメリカのレストアは ピカピカに仕上げてしまうが、イギリスでは良いところを残してオリジナルを保つ、というのが特徴ですね。

Rally Nippon 2017

 

–お気に入りのショップはありますか?

小林:特にないですね。レストアもね、結局人ですよ。いい人に巡り会えるかどうか。相性が合うかどうか。人との出会いが大事なんです。

—RALLY NIPPON の話に戻りますが、今年はいかがでしたか?

小林:台風が来ましたが、最終的に晴れて、そのギャップがとても良かった。白川郷ホワイトロードなど、通常雨なら決して走らない場所のレアなところが見れて、非常にラッキーでした。また、今年は海外から30組も来てくれたこともあり、国際的な認知度が高まったと思います。

—10周年を迎える来年は、アメリカ西海岸で開催予定と聞いています。日本のクラシックカーレースを海外でやる意図は?

小林:クラシックカーの大市場であるアメリカなら、参加者も多いと考えています。イギリス、イタリアも考えたけれど、やはりアメリカは気候が良いですしね。サンフランシスコから入ってナパ、レイク・タホ、ヨセミテを通り、ペブルビーチに入るといったコースを考えています。

日本から参加する方々には、日本も海外にひけをとらずここまでできるんだ、という誇りを持ってもらえると思っています。

—若者の車離れと言われている昨今ですが

小林:僕らのころは一刻も早く免許を取りたいとみんな思っていて、デートするなら車がないとダメ、っていう世の中でしたが、それがいいというつもりは全くないんですよ。時代は変わりますから。でもクラシックカーを人間が残した過去のもの、文化として捉えていってほしいですね。クラシックカーはもう生産されないものなので数が限られていますが、日本では生活に余裕があり、趣味にお金を使う世代もいるので、ムーブメントは続くのではないでしょうか。

レースコースにはあまり関心がなく、公道を走ることをひたすら愛する小林氏。最も好きなドライブルートは、やはりカーブと美しい景色を楽しめるビーナスラインだという。熱っぽく真剣に語る氏の顔に「写真を一枚」とシャッターを切ると、「カメラは苦手なんだよな…」と少しはにかんだ笑みを口元にこぼした。 

RELATED POST