Credit : © 2017 Prasad et al. PlosOne, cropped

1億年以上昔に生息していた巨大な魚竜、新発見が相次ぐ

最近、「魚竜」とも呼ばれるイクチオサウルスに関する新発見が相次いでいるようだ。 

まずはほぼ完璧な状態のイクチオサウルスの化石がインドで発掘された。厳密にはイクチオサウルス科のオフタルモサウルス属に属するとみられるこの化石、頭蓋骨の一部と尻尾の骨こそ見つからなかったものの、この5.5mの化石は大きな発見だった。インド亜大陸でイクチオサウルスが見つかったのは始めてなのだ。これまでイクチオサウルスの化石は北部やヨーロッパで主に見つかっている他、南アメリカやオーストラリアでもいくらか見つかってきた。しかしこれまでインドで見つかった他のイクチオサウルスの化石と言えば、歯が数本とか脊椎が少しくらいのものだった。 

今回見つかった化石は、1億5200万年から1億5700万年前のものとされている。この時期インドの大半は暖かい海に覆われており、ちょうどゴンドワナ大陸が分裂し始めた頃だ。これはインドで見つかったジュラ紀のイクチオサウルスという意味だけでなく、ゴンドワナ大陸であったインド-マダガスカル地域でのイクチオサウルスの進化と多様性、ジュラ紀のインドと他の大陸との生物学的な関連性の点からも「驚くべき発見」であるとこの研究を率いたGuntupalli Prasadは語っている。 

もう一つの発見は、ドイツで見つかったジュラ紀初期、1億8300万年前のイクチオサウルスの脊椎の骨に関するもの。なんと研究者達はその中に赤血球、白血球、コラーゲン、コレステロールの痕跡を見つけ出したのだ。このイクチオサウルスの赤血球は、現代の生物と比較して赤血球構造が最大5倍小さいことがわかった。現代の哺乳類の中でも、酸素濃度の低い高高度に暮らすものは赤血球が小さく多いことが判明しているが、当時の地球は酸素が現在よりもずっと少なかった。このことから研究では、酸素の少ない大気に適応したことにより、イクチオサウルスは小さな赤血球構造を持つことになったと見ている。 

太古の昔のことが、長い年月を経て発見されることにロマンを感じる人も少なくないだろう。なお、インドで発掘された化石のお腹の中には、餌となった化石化したアンモナイトとコウイカに近いとされるベレムナイトが入っていた。今晩はコウイカでも食べながら、大昔の地球に生きたイクチオサウルスに思いを馳せてみるのもいいかもしれない。

Indian Ichthyosaur fossil proves this ancient sea monster roamed the world(News.com.au)

Discovery of the first ichthyosaur from the Jurassic of India: Implications for Gondwanan palaeobiogeography(PlosOne)

Palaeobiology of red and white blood cell-like structures, collagen and cholesterol in an ichthyosaur bone(Scientific Reports)

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