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存続の危機にあるアデリーペンギン生息域、海洋保護区認定を却下される

南極大陸に住むアデリーペンギンたちにとって、今年は悲しい年だった。アデリーランドに居た1万8000頭のつがいの子供達のうち、生き残ったのはたったの2羽。世界自然保護基金WWFはこの悲惨な状況を暴力的な映画監督とペンギン映画でこう例える:「まるでタランティーノ版『ハッピー フィート』だ」。

その原因は食べ物が捕れなかったことにあった。オキアミなどを食料とするアデリーペンギンたちだが、今年は彼らのコロニー周辺の氷が夏になっても溶けず、大人のペンギンたちは食べ物を探して長距離を旅しなければならなかった。その結果、子供達は餓死したのだ。それでもその後も希望はあった。この地域を海洋保護区と設定できれば、彼らを守れるかもしれなかった。

しかしその希望も今では水の泡と消えた。オーストラリアとEUは東南極に海洋保護区域を設けようと2010年から努力を続けてきたが、「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会」(CCAMLR:Commission for the Conservation of Antarctic Marine Living Resources)による投票でこの案は否決された。フランス国立科学研究センターの上級ペンギン学者Yan Ropert-Coudertは、この地域は2010年にメルツ氷河の分離以降、これに関連した環境の変化に影響を受けていると語っている。Ropert-Coudertによれば海洋保護区になることで直接ペンギンたちが助かるわけではないが、もし設定されれば観光客や漁業など人間からの更なる直接的影響を防ぐことができるだろうとしている。

なお、CCAMLRのメンバー委員会メンバー25カ国には日本も含まれる。外務省によればその目的は「南極の海洋生物資源について,漁獲対象種並びにその関連種及び依存種を含め,合理的利用を図りつつ保存する」ことだという。

Antarctic Adélie penguin colony in jeopardy as Marine Protection Area is rejected(The Telegraph)

南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(Commission for the Conservation of Antarctic Marine Living Resources: CCAMLR)(外務省)

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