目指せ、宇宙マスター!子どもたちの実験チャレンジ in バンドー神戸青少年科学館

2017年10月29日(日)、兵庫県神戸市の天気は、台風の接近であいにくの荒れ模様。そんななかバンドー神戸青少年科学館で開催された「コズミックカレッジ2017」に、600組を超える応募総数から当選した160組の親子連れが参加した。

会場の様子

「コズミックカレッジ」は、人類のフロンティアである宇宙の不思議と宇宙を目指す人類の挑戦をテーマに映像と実験を組み合わせ、解説していく体験型サイエンス教室。9年目を迎えた今年は、ディスカバリーチャンネルのハイクオリティな映像とJAXAのホンモノ実験教室、さらにNHK「コズミックフロント」の高精細な映像で、宇宙への学びを深めてもらう機会を提供することを目的とした新プログラムの開発を行い、宇宙開発分野で世界をリードする三菱電機株式会社の特別協賛を得て、全国5都市(東京、神戸、名古屋、札幌、福岡)で開催されている、他に類を見ない無料イベントだ。

実験お試し中

今年は、ツアーが行われる5会場で前半パートにそれぞれ違う特別講演や実験プログラムが組み込まれている。このレポートでは、各地域で展開された特色溢れるプログラムを一部抜粋して紹介する。

この日、神戸会場では、バンドー神戸青少年科学館の古田綾香(ふるた あやか)さんが登壇。身近な物をつかって実験しながら、ロケット開発の秘密に迫った。

まずは、小手調べに日本が誇るH-IIとイプシロンロケットの画像が掲示された。子どもたちの反応を探ると、意外と知っている子どもたちが多いことに驚く。

この答えが分かる人?元気より手を挙げるお子様も

ロケットを飛ばしてみよう

まずは、実際にストローロケットの実験を行って、ロケットの特徴を解説。息で吹いてみたり、小さな袋をストローに取りつけ、袋の空気を押し出してみたり、100円ショップで売られている詰め替え用のドレッシングボトルをストローにとりつけ、足で勢いよく踏んで一気に空気をだしてみたり…飛距離がどの程度変化するのかを比べてみる。ストローだからとは言え、侮りがたし。日本のロケット開発もペンシルロケットから始まったのだ。小さなものから色々試行錯誤するのが大切だということがわかる。

ロケット実験お試し中

ロケットの形を比べてみよう

そして実験は次の段階、ロケットの形状の比較へ。ストローロケットや実際のロケットも、なぜ細長い形をしているのか?という素朴な疑問に挑む。スーパーなどのお店でよく見る、ビニールのかさ袋を利用し、横向きや縦向きに投げる。中の空気をうまく利用しなければ、かさ袋は飛ばない。傘袋のおしりの部分を指で押して、中の空気を縮めて反作用で飛ばすと…よく飛んだ!

ロケット実験も

実験は、ゴム風船を使った形状の比較にステップアップ。
(a)丸い風船
(b)長い風船
(c)甲子園など球場で飛ばす風船(先が若干大きい)
の3つにそれぞれ空気を入れて、結ばずに手を放して飛ばしてみると…(c)が一番安定して飛んだ!ゴム風船が飛ばすには、どこに重心があるかが大切。ストローロケットもかさ袋ロケットも、前に重心があり、飛行の安定につながっているのだ。

確かに、円柱形のイメージがあるロケット。なぜいつもあの形なのだろうか?ロケットは地球上では外からの空気に押される力が働き、宇宙空間では押されなくなる代わりに内からの圧力(燃料)に耐えられなければならない。試しに丸でなく四角いペットボトルに空気を入れて加圧していくと…パンパンにふくれて円柱形になっていく。中の液体燃料の圧力に耐えるには、円柱形でないといけないということがわかる。

地上で受ける空気の力とは?

古田さんは、内からだけでなく、外からかかる圧力も相当なもの、と続けて解説。普段生活している上で空気の力を感じることはないが、空気の力は一体どのくらいすごいのか?

まず用意したのはコップ。この中に水をいれて逆さにすると…水はこぼれる。これは地球の重力に引っ張られて落下しているのだ。次に、水で満たしたコップにウレタンシートをのせて逆さまにすると…シートがついたまま水はこぼれない!これは実はウレタンシートが空気の力でおされているからなのだ。

ロケットはどうやって発射するのか?

実験はさらなる展開へ。今度はウレタンシートの代わりにティッシュを使ってみる。ティッシュ?濡れて破れるんじゃないの?という声を背に、コップは逆さまに。そしてティッシュは…コップに吸い付いたように落ちない!これは大気の力と水の表面張力のためだ。

ロケット実験

子どもたちには、もっと身近なものでも大気の力を感じる現象を説明。例えば、お味噌汁のお椀のふたが開かない!なんていうとき。また、パックのドリンクを吸うとき、パックがへこむのも、大気が外から押しているため。モノだけでなく人間にもこの空気の力がかかってること、そしてもちろんロケットだって例外ではない、と古田さんは解説した。

つぶれる空き缶、つぶれない空き缶!?

もっと空気の力が分かりやすい実験を!ということで、次なる実験は空き缶を利用して大気圧について検証。水を入れたスチール製の空き缶を火にかけると、しばらくして空き缶の口から湯気が!実は、ロケット本体から出ている煙も同じ、水の粒なのだ。缶の中の水が沸騰したところで、一気に空き缶を水槽に逆さまにして入れる。すると、空き缶は水槽に吸い付いた。大気圧によって吸盤状態になっているためだ。缶をつかんで持ち上げると、水の入った水槽ごと持ち上がってしまう。これはすべて、大気圧の力のおかげと言える。

空き缶を使ったロケット事件

次はフラスコ噴水を使った、ちょっと高度な実験。水の入った丸底フラスコを火で温める。口にはゴム栓とガラスの管がでていて、その先端は水が入ったメスシリンダーの中に入っている。しばらくすると、フラスコから出ている管の先から空気の泡が!これはフラスコの水が温められて水蒸気が発生し、フラスコ内の空気を押し出しているからなのだ。そして火を止めてみると…フラスコに水が逆流していく。管の先にあった水が周りの空気に押されている証拠だ。

フラスコを使ったロケット実験

実験も最終段階。もう一度空き缶を使っての実験に挑む。今度は水を入れたアルミ製の空き缶を火にかける。しばらくすると、空き缶の口から湯気が出てくる。缶の中の水が沸騰したところで、一気に空き缶を水槽に逆さまにして入れる。すると、今度は空き缶がつぶれてしまった!さっきは大丈夫だったのに、なぜ?いささか首をかしげる会場の子どもたち。そう、今回使用したのは、アルミ缶。同じ形状でも、材質によって結果が異なるということを実証するための実験だったのだ。

コズミックカレッジ2017では、前半パートに組み込まれている上記のような「ご当地プログラム」と、全国5会場すべてで同じ体験ができるクイズやオリジナル映像などを含む後半パートが提供されている。

実験に夢中になるコズミックカレッジ神戸参加者

学びの楽しさを実際に体験することで学校の成績もグングン伸びることが報告され、注目を集める「アクティブ・ラーニング(能動的学習)」。ディスカバリーチャンネルはコズミックカレッジをはじめとするイベントや放送を通して、アクティブ・ラーニングを支援している。

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