Credit : NASA/JPL-Caltech

ブラックホールの謎解く鍵を発見…地上と宇宙の共同観測

NASAのX線宇宙望遠鏡NuSTARとウィリアム・ハーシェル望遠鏡が、ブラックホールから放出される光を放つガスジェットの謎を解く鍵を見つけ出した。

「全てを飲み込む」として知られるブラックホールだが、実はブラックホールが吐き出すものもある。それは高温のガスジェットでできたプラズマだ。このプラズマは発光しており、そのためのエネルギーをどうにかして得ていると考えられている。ブラックホールの回転軸から二本の明るい柱となって出ているこのプラズマは、その周囲にも破壊的な力を及ぼす。長らくこれが噴流内のどの部分でどのように生じるのかについては議論の的となっていた。

NuSTARと、ウィリアム・ハーシェル望遠鏡(宇宙望遠鏡ではなく、スペインのラ・パルマ島にあるもの)の超高速度カメラであるULTRACAMは、天の川銀河にあるX線連星となっている二つの星系「V404 Cygni」と「GX 339-4」を観測した。

観測から研究者達の導き出した説は、「X線はブラックホールに近い物質から放たれており、強い磁場により一部の物質がジェットと共に高速で飛び出した結果、粒子が光速に近い速度でぶつかり合い、プラズマが光を放つほどにエネルギーがかかり可視光を放つ」というものだった。また、この研究の主筆であるサウサンプトン大学の天文学者Poshak Gandhiによると、ジェットの物理特性は降着円盤の大きさで決まるのではなく、ジェットのベースとなっている粒子の速度や温度その他の特性による可能性もある、などとしている。

この研究の今後は、今回の計測結果が他のX線連星と同じかどうか比較し、ブラックホールのサイズによらないジェットに関する説を組み立てることにあるようだ。また、今回の観測では宇宙にある望遠鏡と、地上の望遠鏡が同時に協力して観測したという点でも意義深いことだ。

今回は時間差を観測するためのものだったこともあり、その共同作業はなかなか難しいものだったようだが、今後もこのように地上と宇宙の望遠鏡を共同活用することで宇宙の謎を解く新たな鍵が見つかることにも期待される。

NuSTAR Probes Black Hole Jet Mystery(NASA)

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