Virgin、サウジアラビアからの10億ドル出資に合意

音楽から宇宙まで何でもござれのVirgin Groupは、サウジアラビアの政府系ファンド「Public Investment Fund」(PIF)から10億ドル(約1136億円)の出資を受ける合意を結んだと発表した。

10億ドルの出資に加えて4億8000万ドルの追加投資オプションのついたそれは、現時点では法的拘束力のない覚え書きではあるが、これによりPIFは、Virgin Groupの宇宙ビジネスVirgin GalacticとVirgin Orbit、そしてThe Spaceship Company(これも親会社はVirgin Galactic)の非常に重要な株主となる。どれだけの量の株式なのか、そしてこの覚え書きがいつ法的拘束力を持った投資となるのかについてはVirgin Groupの広報は語っていないが、それぞれのVirgin傘下企業の大株主はVirginのままであるとしている。

なおVirginへの中東地域からの出資はこれが初めてではない。Virgin Galacticはサウジアラビアのお隣、アラブ首長国連邦のアブダビ首長国のAabarから2009年に2億8000万ドル、加えて2016年には3億8000万ドルの出資を受けており、AabarはVirgin Galacticの株の37.8%を所有している。

Virgin Galacticが予定している弾道飛行用航空機SpaceShipTwoは、母機であるWhiteKnightTwoと空中で分離し、ハイブリッドロケットにより高度110kmの熱圏に達するというもの。その後機体は地上へと戻っていくのだが、SpaceShipTwoには「フェザーシステム」という画期的なシステムが採用されている。これは、大気圏再突入時に翼を可変する事ができるもので、翼を曲げると再突入カプセルのような(もしくはバドミントンのロケットのような)挙動で空気力学的に安定し、機体の腹に熱を受けながら再突入する。その後翼を戻してグライド飛行して着地するという、再突入カプセルとスペースシャトルのいいとこ取りのようなシステムだ。

2014年にはこのフェザーシステムのテストでパイロットが一人死亡する事故も起きているが、現在はグライド飛行テストはほぼ完了し、動力飛行テストの準備をしているところだ。また、Virgin Galacticから分社して今年3月にできたVirgin Orbitは、2018年上半期にも空中発射ロケット式の小型衛星打ち上げシステムLauncherOneを飛ばす予定としている。

Virgin signs agreement with Saudi Arabia for billion-dollar investment(Space News)

Virgin Galactic nearing powered SpaceShipTwo test flights(Space News)

An Introduction To The Feather: SpaceShipTwo’s Most Innovative Safety Feature(Virgin Galactic)