Credit : NASA

宇宙での遺伝子発現は「まるで爆発」…双子の研究で判明

スコット・ケリーとマーク・ケリー、この二人は、どちらももつるつるした頭のおじさんでぱっと見はどちらがどちらか見分けがつかない。そう、彼らは双子だ。このケリー兄弟は二人ともNASAで宇宙飛行士として働いていた。スコットの方は今年の初めまでは現役の宇宙飛行士だったが、マークの方は2011年に妻が大怪我をしたことが原因で、同年NASAを引退している。

(マークの妻は、ショッピングモールでの政治集会で起こった「2011年ツーソン銃撃事件」の当事者ガブリエル・ギフォーズ下院議員。銃撃によって6人が死亡したが、彼女は頭部を撃ち抜かれながらも生還した。)

今年3月には二人とも引退することとなったが、それまでは双子のひとりが現役宇宙飛行士で、ひとりが地球にいる状態は、NASAにとっては宇宙滞在が人体に与える影響を調べるまたとない機会だった。マークが地上にいる間、スコットは2015年10月から約1年にわたりISSに滞在した。双子の研究を行ったNASAのHuman Research Programは、この度、人間が宇宙を旅するとDNAのメチル化が増幅することがわかったとの予備調査結果を公開した。メチル化はDNAの機能をオン・オフする役割を持つものだ。この双子の研究の主任研究者Chris Mason博士は、宇宙での遺伝子発現(遺伝子情報がタンパク質などの細胞構造やリボ核酸などに変換されること)は「まるで爆発を見ているかのよう」とのことだ。

「人の体が宇宙に行くと同時に、まるで花火が打ち上がるかのような」状態になるのだとか。もうすこし平坦な表現で説明すると、「何千もの遺伝子がオン・オフの仕方が変化した」ということで、この活動は地球に戻ってからもしばらく持続したという。このような双子の研究は、宇宙滞在が分子レベルで人間の体に与えるリスクを理解し、将来的に遺伝子の変化が起きないよう保護したり、変化を戻したりするのに役立つとMason博士は語っている。人々が宇宙に旅立つようになるまでには、今回のように双子の片方だけが宇宙に行く研究が今後も多く行われるのかもしれない。

Fireworks in Space: NASA’s Twins Study Explores Gene Expression(NASA)

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