意外と狩りは下手!?密林の王者・トラの狩りと食事スタイル

現存するネコ科の生物の中では最大の動物であり、“密林の王者”とも呼ばれるトラ。その美しい縞模様と堂々とした姿から動物園でも人気者だ。

アジア大陸に広く分布するトラと人間の関わりの歴史は古く、特に関係が密接だった中国など東アジアの国々ではトラを神として崇拝する地域もあり、アジアの国々にはトラにまつわるさまざまな民話やことわざが言い伝えられている。野生のトラが生息していない日本でも古くから中国を経由してトラの存在は知られており、数多くの絵師による浮世絵などが残されている。

体長1.4~2.8メートル、体重90~300キログラムの大きな体を持つトラたちの狩りのスタイルは草むらに身を隠しながらじりじりと獲物に忍び寄り、残り数十メートルとなったところで一気に飛びかかるというもの。熱帯雨林など温暖な地域に生息するためネコ科の動物にしては珍しく泳ぎが得意で、時には泳いで獲物を追跡することもある。

しかし、残念ながら狩りの成功率はあまり高くない。約10回に1回程度しか狩りは成功しないためトラは常に獲物を探し歩く必要があり、ひと晩に10~20キロメートルほど移動することが普通だ。とはいえメスのトラなら8日に1回、大型動物の狩りに成功すれば生き延びていけるという。

そんなトラたちは今、絶滅の危機に瀕しており、20世紀の初頭には全世界で約10万頭生息していたのが現在では約4,000頭にまで減少してしまっている。かつては毛皮やトロフィー(動物の頭部を剥製にした壁飾り)を目的としたハンティングの犠牲となっていたが、現在は漢方薬の材料にすることを目的とした密猟と、環境破壊による生息地の減少に脅かされている。

古来より武勇や王者のシンボルとして崇められてきた力強いトラたちも、武器を持った人間にはさすがに敵わない。現在WWF(世界自然保護基金)をはじめ、世界各国でトラの保護活動や、トラを使った漢方薬の販売を禁止するなどの法律の整備が行われている。トラたちが人間に脅かされずに過ごせる未来が来ることを祈るばかりだ。

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