実は有能な“自宅警備員”!? クモが愛されるべき理由

「益虫」という言葉があるが、何らかの形で人間の生活に利益をもたらす虫や小動物を指す言葉であり、その代表的なものとしてクモがあげられる。見た目から苦手とする人も多いが、動物食であるクモは、ゴキブリ、ダニ、ハエ、蚊など、人間が忌み嫌う害虫を捕食してくれるありがたい生物なのだ。

中でもアシダカグモは、2~3匹いればその家に住むゴキブリは半年で全滅するというほどの狩猟能力を有し、エサであるそれらを食い尽くすと自然と他所へ移っていく。その仕事ぶりから“アシダカ軍曹”という愛称で呼ばれることもある彼らだが、足の長さを含めると手のひら大(8~10センチ)にもなる巨体の持ち主。家の中でバッタリ遭遇しようものなら心拍数の急上昇は避けられないグロテスクさゆえに、「不快害虫」というレッテルを貼られがちな、なんとも不憫な存在である。

一方で、ネットを中心に「かわいい!」というクモらしからぬ評価を集めているのが、“クモ界の萌えキャラ”ことハエトリグモだ。家の中をピョンピョンと飛び跳ねる小さな黒いクモを、誰しも一度は目にしたことがあるだろう。5~10ミリ程度の大きさしかない彼らだが、超クローズアップした映像を見れば、なんともつぶらな瞳にフワフワの体毛という、まるで愛玩動物のような特徴を持っていることが分かる。ちょこまかと脚を動かしながら体を左右に揺らす姿は、まるでコミカルなダンスをしているかのようだ。まして彼らはその名の通り、ハエや蚊を捕食する性質を持ち、自分の同程度の大きさならばゴキブリの幼虫まで食べてくれるというのだから、人気者なのも納得がいくところ。

……とは言いつつ、どれだけクモが益虫であるか知識を深めたにせよ、手に載せたりして愛でられるかというと、それはまた別の話というもの。ただ、次にあなたの家の中で蜘蛛が現れた時には、新聞紙でスパーン!と叩き潰すような野暮はせず、そっと見て見ぬふりをすることを是非とも検討してほしい。彼らは住まいの平和と秩序を守る“有能な警備員”なのだから。

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