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心を読む実験に成功…まずは鳥から

テクノロジーが進歩すれば、そのうち人間は言葉を発せずとも、相手の考えていることがわかるようになったり、考えただけで相手にメッセージを送ることが可能になるという。SFの世界の出来事のようだが、実はこの研究は今現在も進められており、イーロン・マスクが立ち上げたNeuralinkという会社では60人のエンジニアが研究・開発に当たっている。 

もちろん実現までにはまだまだ時間がかかることが予想されるが、bioRxivに掲載された論文によると、なんと米国カリフォルニア大学の研究チームは、歌を歌う前に、これからどんな歌を歌うか予測する実験に成功したという。しかし歌といっても、鳥の歌う歌だ。鳥の脳は人間のものと比べるとかなり小さいが、鳥の発声は人間のものと似通っている。また、鳥の歌う歌はかなり複雑な構造をしており、人間が言葉を学習するように、鳥も他の鳥から歌を学ぶことが知られている。 

現在人間を相手に実験が行われている脳波を読む装置は、腕を動かそうと考えることでロボットの腕を動かすといったもの。これから喋ることを事前に読み取るなど、まだまだ先のことだと思われていた。今回の実験では鳥の脳から発せされるニューロンを測定し、実際に歌った歌を比較。これを繰り返すことで、機械にニューロンと歌の関係性を学ばせた。研究チームはこれにより、鳥が実際に歌う30ミリ秒(1ミリ秒は1000分の1秒)前に、これから歌う歌を予測することに成功したという。 

実際、歌う鳥は研究対象として注目されており、前述したNeuralinkも鳥の科学者を研究・開発のために採用している。

鳥がこれから歌う歌を事前に当ててしまう今回の研究。人間に応用すれば、言おうと思っていることを言葉にする前に相手に伝えることが可能になるかもしれない。SFの世界が現実になる日は、そう遠くはなさそうだ。

A neural decoder for learned vocal behavior(bioRxiv)
Scientists Can Read a Bird’s Brain and Predict Its Next Song (MIT Technology Review)

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