Credit : NASA/JPL-Caltech/Google Earth

炭素観測衛星、新たなアプローチで地球のCO2を観測

地球の周りには、今現在も数多くの人工衛星が回っているが、地球温暖化の原因と言われる大気中の二酸化炭素(CO2)の量を測定、情報を提供する「軌道上炭素観測衛星(Orbiting Carbon Observatory: OCO)」があるのを知っているだろうか?現在稼働中のものはNASAが2014年に打ち上げた2号機のOCO-2で(1号機は2009年の打ち上げに失敗し失われている)、今も宇宙から地球の大気中にあるCO2を観測している。 

この度、研究者たちはOCO-2が観測した2年半にも及ぶデータをまとめ、サイエンス誌に論文を掲載した。論文では、OCO-2からの観測で得られたデータに基づき、地球の大気中にあるCO2に関し、様々な発見を報告している。 

OCO-2は都市部と火山から発生するCO2を観測。都市部で発生するCO2の量は地球全体の70%以上にも及ぶ。しかし、すぐに大気中で混ざり合ってしまうため、具体的にどこがどれだけのCO2を排出しているかは今まで計測できなかった。OCO-2の観測では、ロサンゼルス市とその近郊のCO2の可視化に成功。このデータを活用することで、都市のどの地域が多くのCO2を排出しているか確認でき、具体的な対策にも役立てることができる。また、OCO-2はバヌアツの3つの火山から排出されるCO2も計測。結果、人間が排出する量と比べてかなり少ないことがわかり、環境への影響は大きくないことがわかった。

Credit: NASA

また、OCO-2は2015年から2016年にかけて起こったエルニーニョ現象が、東南アジアの海域に与える影響を観測。この海域はもともとCO2の発生源として知られていたが、エルニーニョ現象によりこの発生が抑えられると考えられてきた。今回OCO-2の観測データを使用することにより、この海域から発生するCO2が、エルニーニョ現象により26~54%少なくなっていたことが発覚。気候の変化がCO2量に与える影響を確認することに成功した。 

CO2の観測だけでなく、OCO-2に搭載された高解像度の分光計を使用することで、地球上の植物の光合成を観測することも可能だ。光合成することで地球の大気中にあるCO2の量が減少するため、植物がどれだけ活発に光合成を行なっているか知ることが、大気中のCO2量の把握に繋がるという。

https://www.nasa.gov/feature/jpl/new-insights-from-oco-2-showcased-in-science

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