生き物の多様性、地中の炭素隔離に大きな役割

これまで、地球の炭素循環に動物が与える影響は、動物の数の多さによるものが多いとされてきた。しかし、アマゾンでの3年以上を費やした環境研究調査では、動物の多様性が炭素循環に大きな役割を持つことが判明した。

これはNature Ecology and Evolutionで発表されたもの。アマゾンでの100万を超える動物の目撃・活動情報と800を超える土壌サンプルなどからなるこの調査では、動物の多様性が一番高い地域は、地中の炭素隔離も最も多くなっていたことが判明した。

炭素循環とは、その言葉の通り地球での炭素の循環を指す。大気中、海中、植物中、地中などにある炭素は、放出されたり、食べられたり、燃やされたり、吸収されたり、蓄積されたりしながら循環していく。そんな炭素の「炭素隔離」と言ったときには、多くの場合は木などの植物内部に二酸化炭素が貯まることを指す場合が多い。そして「地中の炭素隔離」という文脈では大抵の場合、化石燃料の消費などで大気中に排出されすぎてしまった二酸化炭素を、人工的に回収し地下に貯留させるという話が主だ。しかし、今回の発表で言う「地中の炭素隔離」は、微生物が有機物中の炭素を変換することにより地中に隔離・貯蔵される炭素のことである。

研究では、最も多様な脊椎動物種が見られた地域の土壌の炭素隔離の割合が一番高くなっていた。その理由はこうだ。動物の多様性が高ければ、それだけ果実を食べたり、捕食したりなどの摂食活動が頻繁に行われる。そうすると、食べ残しなどにより多くの有機物質が地上に落ちることになる。これが地中の微生物の多さと多様性へと繋がる。そしてこれらの微生物が有機物質を貯蔵炭素へと変換してくれるのだ。

つまり、ある地域の動物の多様性が豊かであればあるほど、その地域の土中には炭素も豊富に貯蔵されるということだ。新たな大量絶滅期にあるとされる今日、生物の多様性が減少することが環境に与える影響についてより深く調べられるべきかもしれない。

なおこの研究の主筆であるMar Sobralと共同執筆者であるKirsten Silviusらは、地中への炭素隔離に重要なのはほんとうに動物の多様性なのか、それとも特定の動物種なのかを見極める研究、また、地中の微生物についての研究なども今後もアマゾンで続けるという。

Stanford
https://news.stanford.edu/2017/10/09/animal-biodiversity-important-part-carbon-cycle/

Nature
https://www.nature.com/articles/s41559-017-0334-0

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