Credit : NASA/CXC/A.Hobart

超大質量ブラックホールのペア、5組発見

ブラックホールというと、宇宙にある、吸い込まれたら出てこられない穴のようなものと一般的には思われているが、その正体は高密度かつ大質量の天体だ。強い重力のため物質だけでなく光さえも脱出することができず、その姿は宇宙に開いた穴のように、真っ黒なものだとされている。

ブラックホールの存在は18世紀後半から度々話題になったが、その存在は1970年代にX線天文学が発展するまで、理論的な存在に過ぎなかった。X線は地球の大気に吸収されてしまうため、人工衛星からの観測をする必要があったからである。

この度、天文学者たちはいくつかの銀河の中心に超大質量ブラックホールのペアがあることを発見した。今回の発見されたペアは5組。これらは2つの銀河が衝突し、融合する際に誕生したと考えられている。どのブラックホールも太陽の何百万倍もの質量を持つ、超大質量ブラックホールだ。

これまでに知られていたブラックホールのペアは、X線調査によるもので10にも満たない。今回は様々な観測方法を組み合わせることで、一度に5組ものペアを発見することに成功した。

天文学者たちは、スローン・デジタル・スカイサーベイ(専用の光学望遠鏡により、全天の25%以上の範囲を観測、その範囲内にある銀河やクエーサーの位置と明るさ、距離を精密に測定し、宇宙の地図を作り上げる計画)のデータを使い、2つの融合しそうな小さな銀河を観察。広域赤外線探査衛星からのデータを対象の領域と照らし合わせた。また、ブラックホールの特徴である、強力なX線はチャンドラX線観測衛星を利用し観測した。これにより、5つの異なる銀河にペアのブラックホールがあることが判明したのだ。

これらのペアは、お互いの距離がより近づけば、一つの巨大なブラックホールに融合するという。今回の発見をした一人である米ジョージ・メイソン大学のShobita Satyapal氏は、ブラックホールのペアが存在すること自体はそれほど珍しいことではないこと、そして今回の発見は今後ブラックホールが融合する際に発生する重力波の観測に役立つことなどを述べている。

様々な方法を駆使することにより、発見された5組のブラックホールのペア。まだまだ多くの謎に包まれているブラックホールだが、今後のさらなる調査と研究に期待したい。

https://www.nasa.gov/mission_pages/chandra/news/seeing-double-scientists-find-elusive-giant-black-hole-pairs.html

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