400光年先に有機ハロゲン、「生命の源」の可能性

遠い星々の彼方で観測されたのは、もしかしたら星の誕生、そして生命の誕生に関わる物質かもしれない。

アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)による観測と、欧州宇宙機関の彗星探査機ロゼッタのミッションにより、原始星と彗星のガスには共にFreon-40(CH3Cl、クロロメタン)という有機ハロゲンが存在することが判明した。有機ハロゲンが発見されたのは、約400光年離れたところにあるIRAS 16293-2422と、太陽系にあるチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星。その両方で発見されたのだ。

有機ハロゲンは、地球では生物の作用により生み出されるものであり、宇宙で星間空間で見つかるのは初のこと。そのため、これまで有機ハロゲンは「生命の痕跡」ではないかとされてきた。しかし、今回の発見で太陽ほどの質量を持つ若い二連星であるIRAS 16293-2422からFreon-40が発見されたことで、これが生命の痕跡とは考えづらくなった。

遠く離れたIRAS 16293-2422だけでなく、より我々の近くに存在するチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星でもFreon-40が観測されたことは、これだけ離れた場所でも共通点があるという点で興味深い。今回の発見から、有機ハロゲンはいわゆる原始スープの成分である可能性が高いと研究の共同執筆者のKarin Öbergは語っている。

生命の痕跡としての可能性が低くなったのは残念かもしれない。それでも、こんなに若い星でもFreon-40が見つかったと言うことは、星の成形に関してここから学ぶことがあると言うことだ。そしてそれが示唆するのは、有機ハロゲンが「生命の痕跡」ではなく、「生命の源」であるという可能性でもある。

広大な宇宙の謎を解き明かす日はまだ遠いかもしれないが、人類はまた一歩、その日に近づいたのかもしれない。 

ESO
http://www.eso.org/public/news/eso1732/