Credit : NASA

流星塵が降り注ぐ水星の過酷な朝

早起きが苦手な人にとって、夜明けと共に起きるなんて苦痛以外の何物でも無いだろう。しかし、水星の朝はもっと過酷だ。流星塵が打ち付けるのだから。

NASAの水星探査機メッセンジャーによる探索と最新のモデリングから、水星表面の過酷な環境が判明した。大気がほとんど無い水星では、流星塵が毎朝、特定の方向から表面を打ちつけているのだ。メッセンジャーの情報を元に、NASAゴダード宇宙飛行センターのPetr Pokorný、Menelaos Sarantos、Diego Janchesらは、水星への流星の衝突をシミュレーションした。シミュレーションでは太陽系内の流星物質の中でも特に彗星に起因するものが用いられた。 

水星の自転周期は地球と比べて遅いため、水星の一日は地球の58日にあたる。しかし水星の公転周期は速く、水星の一年は地球で言えばたったの88日だ。メッセンジャーから得られた紫外線と可視分光測色器からの初期データによると、外気圏でのマグネシウムとカルシウムが水星の「明け方」の部分でより多くなっている事が判明した。これはつまり、流星塵の通り道が、水星の夜明けとなっている側と重なり、水星の明け方部分にぶつかるようになっていることを示している。逆行流星物質(retrograde meteoroids)とも呼ばれているこの流星塵は、太陽系の流星塵の主なもので、壊れた長周期彗星の破片などからなり、その名の通り太陽系の天体とは逆の方向に移動している。 

通常なら流星物質が星の表面にぶつかったとしても、観測できるほどの影響を生み出さない。しかしこの逆行流星物質は水星の進行方向とは逆向きに移動しているために衝突時の衝撃も大きく、観測が可能となった。この観測から計算される速度を持った流星は、カイパーベルトからの木星族の彗星と、オールトの雲からのハレー彗星タイプからできたものとされる。 

研究者らは今後もこの水星への流星塵への影響や、水星と外気圏モデルの精度を高め理解を深めたいとしている。 

NASA
https://www.nasa.gov/feature/goddard/2017/small-collisions-make-big-impact-on-mercury-s-thin-atmosphere

Space Daily
http://www.spacedaily.com/reports/Small_collisions_make_big_impact_on_Mercurys_thin_atmosphere_999.html

RELATED POST